オカンの兄妹の一番下の弟のオジを
一番上のオジと区別するのに
子供の頃からアタシは「ちっちゃ兄ちゃん」と呼んでました。
アタシが産まれたとき
「産婦人科から実家まで、オレが抱いてもどってきたんや」って
酔っ払ってはいつもこういってました。
去年秋、肺癌の宣告をうけてからも
いつもオカン達兄妹のことを考えてくれて
運転好きで マメなちっちゃにいちゃんは
魚市場いったら刺身や 料理作っては親戚廻っては配ってくれてました。
左手がどんどん利かなくなって
痛くてつらかっただろうに・・・・我慢強かったなぁ
お嫁さんもとってもやさしくて、
あたしにとってはイトコにあたるんだけど
子供は女の子２人、まだ若くて未婚で、とっても明るいです。
めずらしいほどベッタリお父さんにしてる
とっても仲のいい家族でした
今年になってから
よく家族旅行にでかけては
写真みせてもらったり、お土産もらいました。
仕事やめてからは 旅行が一番の楽しみで・・・
行き先の本を２．３冊買って、ネットで調べて
こことここへ行って、ここに泊まって
これを食べて・・・って下調べからするのが
体の調子のいいときにする
ちっちゃ兄ちゃんの楽しみでした。
これからもいっぱい大好きな家族と旅行するんだっていって
車椅子や。ベッドごと乗れるような
大きな車を買いました。
その車で初めての遠出１５日に出発
行きたかった富士山を観に、
そして調子がよかったら
おばちゃんの実家の栃木にも寄るつもりでもいました
今回も３冊の本にｲｯﾊﾟｲ付箋つけて
行く店にはマーカーして・・・
バックの富士山 凄くきれいに写ってました
家族風呂のあるホテルの部屋からも
逆さ富士が見えるきれいな湖がうつってました
ええ旅館に泊まってんねぇ
１６日の朝、やっぱり調子が悪いから
大阪に帰ろうね
って車椅子にのって
ホテルの駐車場で車に移動しようとしたら
息をひきとってたそうです。
病院へ、警察の検死。
新車で、ちっちゃにいちゃんの亡骸を乗せて帰ってきた
イトコが哀れで、かわいそうでたまりませんでした。
ちっちゃ兄ちゃんがまだ見てないからと、
旅行の写真の現像をたのまれました
一日目なのに１１７枚ありました。
その一枚に神社にいったときの絵馬がうつってました
「長生きできますように
無事で楽しい旅行になりますように・・」
ってイトコの字で書かれてありました。
棺おけにはたくさんの花と
１１７枚の写真
お酒が好きだったので
ビールと日本酒をかけてあげて・・・・←とっても酒臭い棺おけでした ﾌﾞｯ
ちっちゃ兄ちゃん、大丈夫やでぇ
イトコ２人とも明るいで。ほんで優しいで。
この前はスイートポテト作ったいうて
またオカンに持ってきてくれたって
うちのオカンもありがとぅ言うて喜んでたで。
もう痛いことないやろ？
